加速器核物理研究部

加速器核物理研究部は、センターの基幹装備である2台のサイクロトロン(大型サイクロトロンとRI製造用小型サイクロトロン)の開発を行っています。また、加速器の管理運転の責任部門として、共同利用の根幹業務を務めています。
本センターの大型サイクロトロンは1億電子ボルトのエネルギーを持ち、ほとんどの原子核を壊し、新たな同位元素(別な原子核)にす る能力を持っています。その能力を最大限に発揮するために、新たな重イオンビームや中性子ビームを開発し、物理学のみにとどまらず、医薬学、工学、農学などの広い分野で利用されています。本研究部はこの様な国内でも有数の加速器施設を支える心臓部門となっています。
同時に、理学研究科・核放射線物理学講座として原子核物理学の研究を行っています。

サイクロトロン加速器を用いて、原子核反応や崩壊によって生成されるや放射線を測定することで、大きく以下の3つの研究プロジェクトを進めています。

  1. 宇宙における元素合成過程の解明
    元素合成過程の中でも特に重要なトリプルアルファ反応の高温・高密度環境下での反応率を求める研究を行っています。
  2. 原子核におけるクラスター構造の研究
    原子核にはアルファ粒子が準構成要素(クラスター)として現れる状態が存在します。その中でも特に全てのアルファ粒子が最低エネルギー状態に凝縮したアルファ凝縮状態の実験的探索を推進しています。
  3. サイクロトロンやイオン源の高度化
    上記の研究を推進するために必要なサイクロトロンの開発のみならず、革新的医療用RI製造に向けた大強度負イオン加速システムの開発を進めています。
これらの研究は、本センターのサイクロトロンを用いて行うと同時に、国内外研究機関(阪大RCNP、理化学研究所、米国ノートルダム大学、オランダKVI等)と協力し、各地の加速器施設も利用して行っています。

加速器核物理研究部のkey word

サイクロトロン、重イオンビーム、中性子ビーム、核構造、クラスター構造、αクラスターガス構造、超変形状態、元素生成の起源、中性子過剰核、核物質の状態方程式

スタッフ紹介

教授 伊藤正俊

  • 原子核物理学
  • TEL/FAX:022-795-7793/022-795-7997
  • E-mail: itoh*cyric.tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)
プロフィール

京都大学大学院理学研究科修了、大阪大学核物理研究センターポスドク、 東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター助教を経て現職

メッセージ

複雑な多体系である原子核の様々な状態を調べることによって、宇宙の創成から現在に至る現象を微視的に理解することを目指しています。 また、サイクロトロン加速器の多目的利用を推進するため、加速器および周辺技術の高度化にも務めています。

助教 足立智

  • 原子核物理学
  • TEL/FAX:022-795-7794/022-795-7997
  • E-mail: adachi*cyric.tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)
プロフィール

京都大学大学院理学研究科修了、大阪大学大阪大学核物理研究センター・九州大学大学院理学研究科附属超重元素センター・大阪大学理学研究科のポスドクを経て現職

客員准教授 松田洋平

研究教授 永井泰樹

  • 大阪大学名誉教授・東京工業大学名誉教授

研究教授 篠塚勉

リサーチフェロー 新原佳弘

リサーチフェロー 足達芳嗣