応用核物理学研究部

研究概要

応用核物理学研究部では、大型サイクロトロン加速器から得られる荷電粒子ビームを用いて、がんへ線量集中ができる粒子線治療と、細胞選択的ながん治療を可能とするホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の高度化に関する技術的研究を行っています。さらに、低エネルギー陽子ビームを用いたParticle-induced X-ray emissionによる元素分析(PIXE分析)にも取り組んでいます。 粒子線治療研究では、高精度照射技術に関する研究、マイクロパターンガス検出器技術を応用した二次元実時間粒子線プロファイルモニター、および、ポリマーゲルによる三次元線量分布計測技術の研究を行っています。さらに、治療効果を高めるために、医学、薬学、獣医学系研究者との共同研究で、陽子線治療と新規抗癌剤を併用する治療研究を動物実験レベルで実施し、化学陽子線治療の基礎研究も行っています。BNCT研究では、RARISにおける実験的研究と同時に、青森県量子科学センターの加速器中性子源を用いて、高精度照射技術による次世代BNCT技術開発を行っています。一方、PIXE分析では、国内のPIXE研究機関との連携体制で、医学分野および環境科学分野の試料を対象とした研究を推進しています。

応用核物理学研究部のkey word

粒子線治療、ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)、PIXE、マイクロパターンガス検出器、ポリマーゲル線量計、中性子イメージング、RIイメージング

スタッフ紹介

1.:プロフィール、2.:メッセージ

教授 寺川貴樹

  • 原子核物理学、サイクロトロン加速器、放射線計測、放射線高度利用(粒子線治療、BNCT、PIXE)
  • TEL:022-795-7795
  1. 東北大学理学部物理学科卒業、東北大学大学院理学研究科博士課程修了 博士(理学) 東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンター・助手、 東北大学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻・助教授・准教授・教授を経て、現職
  2. 加速器、放射線を用いた先進的がん治療技術の研究や、生物、医学、環境関連試料のイオンビーム分析研究に取り組んでいます。医工学、環境科学に興味のある方はご連絡ください。学生の皆さんの研究室、実験施設見学も歓迎します。

助教 岩本ちひろ

  • 原子核物理学、放射線計測、マイクロパターンガス検出器、中性子源応用(中性子回折・イメージング、BNCT)
  • TEL:022-795-7796
  1. 甲南大学理工学部物理学科卒業、甲南大学大学院自然科学研究科物理学専攻修士課程及び博士後期課程修了 博士(理学) 、 大阪大学核物理研究センター・特任研究員、東京大学原子核科学研究センター・特任研究員・学術支援職員、 理化学研究所光量子工学研究センター中性子ビーム技術開発チーム・研究員を経て、現職
  2. 中性子ビームとガス検出器の医学・工学・理学利用開発に取り組んでいます。 分野の垣根なく、中性子って何だろう、中性子を利用するってどういうことだろうと疑問に思った学生の皆さん、 またこれらの開発研究にご興味をお持ちの研究者の皆さんとの学術交流ができましたらと思います。

客員教授 酒見泰寛(東京大学 原子科学研究センター)

  • 原子核物理学

研究教授 織原彦之丞(東北大学名誉教授)

  • 原子核物理学

研究教授 石井慶造(東北放射線科学センター,東北大学名誉教授)

  • 原子物理学,原子核工学,放射能災害再生工学

リサーチフェロー 田中香津生(早稲田大学理工学術院総合研究所)

  • 原子物理学,加速器放射線教育