DATE プロジェクト(「ダテ」と発音)のDATE はDeuteron Accelerator for Theranostics mEdicine at Tohoku Universityの頭文字を取ったものです。日本語に直訳すると「東北大学にてセラノスティックス医療のための重陽子加速」となります。本プロジェクトを簡単にまとめると、加速器で発生させた重陽子をターゲットにあてて、高速中性子を発生させ、この中性子から診断および治療に使えるセラノスティックス用アイソトープ医薬品を製造しようというものです。ここでセラノスティックス(theranostics) とは、治療を意味するtheraphy と診断を意味するdiagnostics を合成した造語であり、個々の患者に対して、画像診断を行い、その情報をもとに治療を行う方法を指します。核医学では1940 年代の131I 甲状腺治療のころからセラノスティックス医療をやっていましたが、新しい診断薬・治療薬の開発と相まって2010 年頃から世界的に注目されるようになりました。
 DATE プロジェクトでは、クオリティー・オブ・ライフ(QOL) の向上に結びつく、多様なラジオアイソトープ(RI) を利用したセラノスティックス医療への貢献を目標として、特に64Cu および67Cu をオンデマンドで供給し、これら放射性銅を用いた創薬・核医学の国際的な研究開発拠点の形成を目指します。DATE プロジェクトには、東北大学CYRIC の他に、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)、株式会社千代田テクノル、住友重機械工業株式会社と合計4 つの機関が参画し、それぞれの機関が有する知見・技術を結集し、本プロジェクトを実施します。なおDATE プロジェクトの資金の一部は科学技術振興機構(JST) の産学共創プラットフォーム(OPERA)の中で実施されている量子アプリ共創コンソーシアム(QiSS)の支援を受けています。 
 当センターでは、PET に関連した研究(装置開発、薬剤開発、前臨床・臨床研究、内部被ばく評価) を多く行ってきましたが、治療用の医薬品の開発に関してはこれまであまり実績がなく、DATE プロジェクトを通して治療用RI に関わる技術開発を行います。治療用にRI を用いる場合、診断用RI とは桁違いに製造量を確保する必要がある。現在、RI の大量製造に向けて930 AVF サイクロトロンに負イオン加速を行えるよう整備を進めており、今後、ターゲットホルダー、ターゲット搬送装置、ホットセルやRI 分離装置の設置などを行い、放射性銅(64Cu,67Cu) の供給を開始する予定です。

 DATEプロジェクトの詳細については、資料をご覧ください。(資料1資料2