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高分解能ビームコースおよび大型散乱槽

大型散乱槽内に検出器が設置された様子

高精度が要求される核反応散乱実験により、核構造や核反応機構の研究を行うための実験装置です。電磁石室に配置された一対の双極電磁石により、約1/6000のエネルギー分解能をもつビームを供給することができ、かつ、散乱実験等のビームの位置分解能が必要な実験では、標的上でビームスポットの大きさが1mmφのビームを用いて、本加速器施設で最高のビーム分解能を駆使した精密原子核研究を推進しています。第4ターゲット室には、直径約1m、高さ50 cmの大型散乱槽が設置されています。この散乱槽には独立して回転させることができる2つの駆動系をもち、真空中に半導体検出器等を取り付けて、遠隔操作により駆動することが可能となっています。また、真空を保ったままあらかじめ取り付けた標的を交換することができる駆動系も持っています。

このコースの特徴を活かして、近年、原子核中でα粒子が凝縮している新しい励起モードを探索する実験が行われています。通常、フェルミ粒子である核子から構成される原子核は、フェルミ統計に従います。しかしながら、この特殊な状態ではα粒子がもつボーズ粒子の性質が現れるため、一つの軌道上にいくつものα粒子が存在することができると言われています。つまり、フェルミ系である原子核中にボーズ系の性質が現れる、非常に興味深い状態です。このような状態を加速された酸素原子核と炭素原子核を衝突させることによって作り出し、崩壊して放出されるα粒子を測定することによって探索しています。また、理化学研究所仁科加速器センターのRIビームファクトリおよび大強度陽子加速器施設、J-PARCで行われる実験のための検出器開発実験にも利用されています。